衰退パニックが深刻化!今年1~2月、米国のコンテナ輸入は20%も暴落した
2023-03-14 347ウォール街の大物が米経済のソフトランディングが期待できるとの見方を強めていた矢先、米国経済が景気後退に向かっていることを示す実体経済データが増えてきた。
3月9日、カナダの物流会社デカルト・システムズ・グループが発表した報告書によると、今年1~2月に米国の海運コンテナ(中国から輸入したコンテナ)輸入量は20%減少した。
今年1~2月に20フィート換算で米国に入国したコンテナの総量は380万個で、2022年同期の478万個から減少し、2019年同期とほぼ同水準となった。
全世界40フィートコンテナ輸送コストパンデミック(世界的大流行)前の水準に回復した。これは、世界の中央銀行の多くがインフレに対抗し、消費者支出を抑制するために積極的に利上げを行い、国際貿易を減少させていることが主な要因となっている。
あるメディアは、米国のインフレ高騰、金利上昇の経済的負担は主にそれらの低所得消費者にかかっていると評している。消費は米GDPの68.5%を占めることから、コンテナ海運業界の不安な減速は、米経済が足踏み状態を示していることを示している。
デカルト氏によると、中国、日本、ドイツからのコンテナ取扱量の減少幅が最も大きかった。
米国のコンテナ輸入量の減少は、一部のストラテジストが今年後半に景気後退が始まる可能性があるとみていることから、市場では不吉な兆しとみなされている。
また、昨年開始した利上げは米経済に影響を及ぼし始めたばかりで、今後数カ月間、経済活動を大きく抑制するとの見方を示した。
米国コンテナ輸入の急激な減少今年に始まったわけではない。
米国の港湾が12月に処理した入港コンテナ(20フィート当量単位)は、11月比1.3%減の1,929,032個で、COVIDによる補充ブームで輸入が急増した2020年6月以降の海運輸入で最低水準となった。
デカルトのデータによると、昨年12月の米国のコンテナ数は2021年12月に比べ19.3%減少し、2019年12月を1.3%上回るにとどまった。2020年は感染拡大とロックダウン(都市封鎖)で世界貿易が急減した。